「場所踊り」
- ヤレそろりとヨ 輪をつくれ そろりやそろりと 輪をつくれ
- ヤレお月のヨ 輪のなりに 天のお月の 輪のなりに
- ヤレお月では 恐れ多い 天のお月では 恐れ多い
- ヤレ車のヨ 輪のなりに 王明車の 輪のなりに
- ヤレ揃うたらヨ ちとおろす お並び揃うたら ちとおろす
- ヤレ小栗のヨ 文の段 暫く小栗の 文の段
- ヤレ名付けてヨ ちとおろす 正歌と名付けて ちとおろす
- ヤレ一番のヨ 筆立てに 第一番の 筆立てに
- ヤレ雄鹿とヨ 書かれしは 峰の雄鹿と 書かれしは
- ヤレ砕いてヨ 読むなれば これを砕いて 読むなれば
- ヤレ女鹿ヨ 妻恋し 麓で女鹿よ 妻恋し
- ヤレ二番目のヨ 筆立てに 第二番目の 筆立てに
- ヤレ霰とヨ 書かれしは 小笹に霰と 書かれしは
- ヤレ落ちよとヨ これを読む 触れば落ちよと これを読む
- ヤレ三番目のヨ 筆立てに 第三番目の筆立てに
- ヤレ真菰(まこも)とヨ 書かれしは 池の真菰と 書かれしは
- ヤレ大師のヨ 一の筆 弘法大師の 一の筆
- ヤレなびけとヨ これを読む ひくになびけと これを読む
- ヤレ四番目のヨ 筆立てに 第四番目の 筆立てに
- ヤレ帯とヨ 書かれしは 永尺帯と 書かれしは
- ヤレ相模とヨ 常陸とは 例え相模と 常陸とは
- ヤレいかほどヨ 隔つとも 道ほどいかほど 隔つとも
- ヤレめぐりてヨ 結び逢う めぐりめぐりて 結び逢う
- ヤレ五番目のヨ 筆立てに 第五番目の筆立てに
- ヤレ漕ぐ舟と 書かれしは 沖漕ぐ舟と 書かれしは
- ヤレ知りつつヨ その人に 文を知りつつ その人に
- ヤレつけよとヨ これを読む 急いでつけよと これを読む
- ヤレ六番目のヨ 筆立てに 第六番目の 筆立てに
- ヤレ紅葉とヨ 書かれしは 日陰の紅葉と 書かれしは
- ヤレこの文ヨ 読むとても 例えこの文 読むとても
- ヤレ出すなとヨ これを読む 色に出すなと これを読む
- ヤレ七番目のヨ 筆立てに 第七番目の 筆立てに
- ヤレ云う字をヨ 七つ書き 恋と云う字を 七つ書き
- ヤレ命がヨ 七と読む 恋路に命が 七と読む
- ヤレ八番目のヨ 筆立てに 第八番目の 筆立てに
- ヤレ無し弓にヨ 喰む鴨を 弦無し弓に 喰む鴨を
- ヤレ引きならぬ 恋の闇 たて引きならぬ 恋の闇
- ヤレ九番目ヨ 筆立てに 第九番目の 筆立てに
- ヤレお店とヨ 書かれしは 紅屋のお店と 書かれしは
- ヤレ返事をヨ 待つと読む 色よき返事を 待つと読む
- ヤレ十番目のヨ 筆立てに 第十番目の 筆立てに
- ヤレ落雁ヨ 取らすとは 狆に落雁 取らすとは
- ヤレかくしと これを読む めでたかしくと これを読む
- ヤレ正歌はヨ 出たけれど そろりと正歌は 出たけれど
- ヤレ若い衆が 見えたでよ 他所の若い衆が見えたでよ
- ヤレ正歌のヨ 切りを止めて 出(だ)いたる 正歌の 切りを止めて
- ヤレなされたヨ おしるしに おいでなされた おしるしに
- ヤレ盃を 想いさす 歌盃を 想いさす
- ヤレ静めてヨ 早よたのむ 踊りを静めて 早よたのむ
- ヤレ変わる 拍子様 歌節変わる 拍子様
【静め歌】
- お十七は濁り川渡る 我が妻なれば 引抱えて越えるに 人さの妻じゃで見て笑うよ
- 人さの妻でも引抱えて越えやれ あの山陰に人さえなけにゃ この川越えて あの山陰で
- アー私ゃヨーお前さのナーヨー ソリャお前さの ままになる妻になるヨー
- ヤレ静めた 心じゃよ これも静めた 心じゃよ
- ヤレからしてヨ 他所たのむ この次からして 他所たのむ
【こもと受取歌】
- ヤレ御苦労 他所の殿 まずは御苦労 他所の殿
- ヤレでたさえも 御苦労じゃに おいでたさえも 御苦労じゃに
- ヤレ花をよな あつらえて 蕾の花を あつらえて
- ヤレ咲かせて 下された 見事に咲かせて 下された
- ヤレ御恩に 受けたぞえ ひとしお御恩に 受けたぞえ
- ヤレ恩とては 恩とては この恩とては 恩とては
- ヤレまいぞえ 草場まで 忘れまいぞえ 草場まで
【終り歌】
- ア目出度ヨー 目出度のナーヨ ソーリャ目出度のヨー 若松は 若松はヨー
- ア枝もヨー 栄えるナーヨ ソーリャ栄えるヨー 葉も繁る 葉も繁るヨー
- ア人がヨー 若松ナーヨ ソーリャ若松ヨー 様と云え お目出度ヤー
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