「よいとそりゃ」
- ハァーわしが出いても 合わせまけれど 合わぬところはーヨーオイ御免なさりょ
- ハァー合わぬどころか よく合いました いつも頼むぞーヨーオイその声で
- ハァー御免なさりょと 腰折り曲げて 腰に御免はーヨーオイなるものか
- ハァー唄い負かそうと 思うては来たが ここは痩せ畑ーヨーオイ声(肥)がない
- ハァー様は良い声 細谷川の 鶯の声ーヨーオイ音(ね)に迷うた
- ハァー他所に蹴り込み はばかりながら 一つ出しますーヨーオイ御免なさりょ
- ハァー他所のお方よ よく来てくれた これでこの場がーヨーオイしゃんとした
- ハァー姉がさすなら 妹もさしゃれ 同じ蛇の目のーヨーオイ唐笠を
- ハァー同じ蛇の目の 唐傘させば どちが姉やらーヨーオイ妹やら
- ハァー年は取りても まだ気が若い 流行り小唄のーヨーオイ節ょ習う
- ハァー夕べ夜這いが 二階から落ちて 猫の鳴き真似ーヨーオイして失せた
- ハァー立てば芍薬 座れば牡丹 後ろ姿はーヨーオイ百合の花
- ハァー桜三月 あやめは五月 菊は九月のーヨーオイ末に咲く
- ハァー唄わまいかよ 道行く人の 立ちて止まりてーヨーオイ聞くほどに
- ハァー明かり障子に 梅の木描いて 春は鶯ーヨーオイ来て止まれ
- ハァー桑の中から 小唄がもれる 小唄聞きたやーヨーオイ顔見たや
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