「郡上甚句」
- 櫓太鼓にふと目をさまし 明日はどの手でこいつぁ投げてやる
- お相撲とりにはどこがようて惚れた 稽古がえりの乱れ髪
- 相撲にゃなげられ女郎さんにゃふられ どこで立つ瀬がわしが身は
- 西は富士が嶺 東は筑波中を流るる隅田川
- 夜明けましたら起しておくれ お前頼りでぁ居るわいな
- 相撲取りじゃの道楽じゃのと 云うて育てた親はない
- 歌うて出たぞえお庭の鳥が いつに変わらぬよい声で
- 角力にゃ負けてもけがさえなけりゃ 夜さりゃ私が負けてやる
- ゆんべ横町で先にカカに出会て おまえまめなか達者なか
- 白い黒いで自慢なものは おらが在所の繭と炭
- 小田のかわずは身にあやまりがあるか 両手をついて鳴く
- ついて行きたい送りに出たい せめて御番の札所まで
- どうせこうなりゃ二足のわらじ 共にはいたりはかせたり
- 馬じゃ磨墨粥川うなぎ ひびく那留石宗祇水
- おらが在所の大島村は 米のなる木がおじぎする
- 盆じゃ盆じゃと待つうちゃ花よ 盆がすんだら何を待つ
- お前松虫わしゃきりぎりす 障子ひとえで鳴きあかす
- しぼり浴衣にかんざし添えて 毛付け土産と投げこんだ
- 信州信濃の新そばよりも わたしゃあなたのそばがよい
- 盆の十四日にゃお寺の前で 切子あんどんを中にして
- 西の山から東の山へ おまえたずねて北の山
- 他所へふみ出しはばかりながら 音頭とりますごめなさりょ
- よその若い衆かよう来てくれた 裾がぬれつら豆の葉で
- お前一人か連れ衆はないか 連れ衆あとから駕篭で来る
- 天気よければ天王様の 宮の太鼓の音のよさよ
- 小那比松茸前谷わさび 気良じゃ馬の子坪佐炭
- いやなお方の親切よりも 好きなお方のやぼがよい
- 八重の山吹き派手には咲けど 末は実のないことばかけ
- 惚れりゃ千里も一里じゃなどと 虎の尾につく古狐
- 紺ののれんに松葉の散らし 待つに来んとは気にかかる
- 郡上はよいとこ住みよい所 水も良ければ人もよい
- 上をおもえば限りがないと 下を見て咲く百合の花
- 姉とゆたれど妹をおくれ 姉はひのえのうまの年
- 姉はひのえのうま年なれど 妹かのえのさるの年
- わしとおまえは十円札よ 五円きれてもまだ五円(ご縁)
- せかずとお待ちよ時節がくれば 咲いてみせます床の梅
- 今年ゃこうでもまた来年は こうもあるまいなよ殿ま
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