「かわさき」
- 郡上の八幡出て行く時は 雨も降らぬに袖しぼる
- 天のお月様ツン丸コテ丸て丸て 角のてそいよかろ
- 郡上の殿様自慢のものは 金の弩標に七家老
- 心中したげな惣門橋で 小駄良才兵衛と酒樽と
- 金が出る出る畑佐の山で 銀と鉛と赤がねと
- 向小駄良の牛の子見やれ 親が黒けりゃ子も黒い
- 愛宕三月桜でくもる くもる桜に人が酔う
- 忘れまいぞえ愛宕の桜 縁を結んだ花じゃもの
- 祭り見るなら祖師野の宮よ 人を見るなら九頭の宮
- 音頭とる娘の可愛いい声で 月も踊りも冴えてくる
- お国自慢にゃ肩身が広い 郡上おどりに鮎の魚
- 雪の降る夜は来ないでおくれ 隠しきれない下駄の跡
- 咲いた桜になぜ駒つなぐ 駒が勇めば花が散る
- 秋葉三尺お城のふもと 今日も鳴る鳴る時の鐘
- 安久田こんにゃく名皿部ごぼう 五町だいこに小野なすび
- 嫁をおくれよ戒仏薬師 小駄良三里に無い嫁を
- 見たか聞いたか阿弥陀ヶ滝の 滝の高さとあの音を
- 今夜逢いましょ宮が瀬橋で 月の出るころ上るころ
- 泣いて別れていつ逢いましょか 愛しいあなたは旅のかた
- 花の愛宕に秋葉のもみじ 月がのぞくか吉田川
- 歌も続くが踊りもつづく 月の明るい夜もつづく
- 踊らまいかよ祖師野の宮で 四本柱を中にして
- 愛宕山から吉田の流れ ながめ見あかぬ宮瀬橋
- 鐘がなるのか撞木がなるか 鐘と撞木と合うてなる
- 郡上はよいとこ住みよいところ 水もよければ人もよい
- めでためでたの青山様は 菊の御紋に葉も茂る
- 郡上の八幡葉菊の御紋 四万余石の城下町
- わかれわかれて歩いておれど いつか重なる影法師
- 散ると心に合点はしても 花の色香につい迷う
- 娘島田に蝶々がとまる とまるはずじゃよ花じゃもの
- わしが出しても合わまいけれど 合わぬ所はごめなさリょ
- 山に抱かれて流れに沿うて 踊る絵の町歌の町
- わしの心と向かいの山は ほかに気はない松ばかり
- 桜三月あやめは五月 菊は九月の末に咲く
- 梅が咲いたと都の便り 郡上は雪じゃと返す文
- 恋しやさしや雪駄の音は 主はどなたか知らねども
- 遠く離れて会いたい時は 月が鏡になればよい
- うたいなされよ向いのお方 歌でご器量は下がりゃせぬ
- 歌でご器量がもしいち下がリゃ 時の相場で上げてやる
- もはや川崎ゃやめてもよかろ 天の川原は西東
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