「まつさか」名所案内
- ヨーホイ モひとつショ 合点と声が掛るなら 是から文句に掛りましょ
- 総てお寺は檀家から やせ畑づくりもこやしから
- 下手な音頭も囃子から おはやし頼む総和様
- 鵜舟の篝火赤々と 世にも名高き長良川
- その水上の越美線 郡上の八幡名にしおう
- 三百年の昔より 士農工商おしなべて
- 泰平祝う夏祭り 音頭手拍子面白く
- 謳い楽しむ盆踊り 郡上の八幡出る時は
- 雨も降らぬに袖しぼる これぞ真にこの里の
- 人の心をそのままに いつしか唄となりにける
- 山は秀いでて水清く 春は桜の花に酔い
- 夏は緑の涼風や 秋はもみじ葉茸狩り
- 冬は雪との戯れと 名所の多き郡とて
- 訪ねる人の数々に いざや探らん道しるべ
- 大日ケ岳仰ぎつつ 阿弥陀ヶ滝をおとなへば
- 六十丈の虹吐いて 夏よせつけぬ滝の音
- 滝の白糸長々と 一千年の昔より
- 由緒はふかき長滝に 今も睦月の六つの日を
- 喜び菊の花祭り 人は浮かれてくるす野の
- 宮居に匂う桜花 緑もえでる揚柳寺
- のどかなる 野の那留石の
- その名は高く世に響く 宗祇の流れ今もなお
- 汲みてこそ知れ白雲の 絶えせぬ水の末かけて
- 積る翠の山の上に 霞ヶ城の天主閣
- 朝日に映る金の鯱 昔をしのぶ東殿の
- 山の端出ずる月影に匂う 愛宕の墨染や
- ひがん桜や山桜 訪い来る人の絶間なく
- 杖ひくからぬ稚児の 峰卯山おろしの風穴に
- いでそよそよと立ちし名の 浮きて流るるあさが滝
- 深き思いを叶橋 行き交う人は深草の
- 小町にちなむ小野の里 契りはかたき石の面に
- 写りまします菅公の冠 ならぬ烏帽子岳
- ふもとつづきの村里は 寿永の名馬磨墨の
- 出でし所と言い伝う名も 高光にゆかりある
- 高賀の山の星の宮 矢納が渕や粥川に
- うなぎ群がるそのさまを 振り返りつつ蓬来の
- 岩間流るる長良川 河鹿の声のおちこちに
- ひかれて舟に棹させば 浮世の塵もいつしかに
- 洗い捨てたる心地する 水の都か花の里
- 郡上の八幡出る時は 雨も降らぬに袖しぼる
- 踊りと歌で町の名も 広く聞こえて栄えゆく
- 里の皆衆も他所の衆も 音頭手拍子うちそろえ
- これぞ真に総輪様 永く伝わるこの里の
- 郡上おどりの誉れをば 万代までも伝えなん
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