郡上八幡の代表的な湧水は、宗祇水。宗祇水の名の由来は、連歌の宗匠として知られた飯尾宗祇が文明年間この泉のほとりに草庵を結んで、この清水を愛用したところから名付けられたものです。
時の郡上城主、東常緑は武家歌人として知られており宗祇は古今集の秘事を伝授してもらうため文明3年(1471年)から同5年までのおよそ3年にわたって訪れました。そして、帰路につく宗祇を送った常縁が、泉のほとりで
もみぢ葉の ながるる竜田 白雲の
花のみよし野 おもひわするな
常緑
|
|
と餞別に歌を送り、宗祇は、返歌としてこう詠んだといいます。
三年ごし 心をつくす 思ひ川
春たつさわに わきいづるかな
宗祇
|
|
以後、江戸時代、遠藤常友によって整備され「白雲水」と命名されました。大正8年、有志で宗祇倶楽部が結成され、後、宗祇水奉賛会が引き継ぎ宗祇水を守っています。昭和49年には県の史跡文化財の指定をうけ、また昭和60年には全国名水百選の一番手として環境庁の指定を受け、郡上八幡の名勝となっています。
|